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法律が改正になると問題になる「法律不遡及の原則」

「法律不遡及の原則」とは、「事後法の禁止」「遡及処罰の禁止」とも呼ばれる刑法概念の一つです。
既に旧法にて判決が出されている事件に対しては、法改正されたからと、過去に遡って新法で罰せられることはありません。
犯罪行為等、事件に関係する何らかの行為に着手した時には旧法が適法であったとしても、その後、法改正されて新法になった場合、既に判決が下された事件については新法で罰せられる事はないというものです。
たとえば殺人事件を起こした場合に、旧法で無期懲役という判決が下された後、法改正により新法では死刑に値するほどの事件であったとしても、法律はあくまで改正後に効力があるもので、改正前に遡る事はありません。
それは、新法の効力が過去にまで及ぶことになってしまうと、様々な混乱を招く事になり、法律というものが不安定なものになってしまうので、事前に定められているものなのです。
裁判の最中にコロコロと話が変わるようでは、いつまで経っても裁判は終わりません。
「法律不遡及の原則」は、法律の安定を守るためにも必用だと言えるでしょう。

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